オヤジ…
昨夜、あの社長のことを思い出したら、ムカムカ!
お酒の量が増えちゃったよ。
ヒデちゃんがいたら、私をなだめてただろうね。
私は、怒り出すと止められないけど、
ヒデちゃんは、相手の心情や状況を理解しようとするもんね。
荷物が見つからなかった時、
「これからまた揃えよう!もっと良いものがあるかもよ。」って、私。
ヒデちゃんも、「うん」って言ってたけど、心ここに在らずって感じの返事だった。
そりゃそうだよね…私なら、気が狂ったように騒ぐと思う!
でも、この時は、あの社長探し出せるって思ってたんだよね…私。
絶対に見つける!見つけ出してやる!って思ってた。
でも、ヒデちゃん消えちゃって、社長の耳にも入ってるはずなのに、姿現さないし
探したいけど…見つけた時、私が犯罪者になりそうだから、探してない。
許せない!マジ、許せない!
あんな奴を、あんな奴なのに、ヒデちゃんは恨みごと言ってない。
いつも怒ってるのは、私。
ヒデちゃん、「裏切られた」って言いながら、あんな奴の事を、心配してたよね。
あんな奴の事を、「オヤジ」って言ってた。
ヒデちゃんが「オヤジ」って言う人は、弱い人なんだよ。
本当のお父さんも弱い人。
嫌なことから逃げる…逃げ癖…二人とも。
ヒデちゃん、「自分も今まで、嫌なことから逃げてきたから、もう逃げない。
だから、あんな奴だけど、最後までついてく」って。。。
「ヒデちゃんの気持ちも分かるけど、人を見る目がなさすぎるよ。」って、
これが、いつものあたしたちのケンカのパターンだったね。
違うね…私だけ怒ってるんだった。。。
ホント、ヒデちゃんって優しすぎるんだよ。
誰に対してもね。
だから、私、調子に乗っちゃうんだよね。
もう、優しくしてくれないの?
もう、怒ったりしないよ。ヒデちゃんに従うよ。
近くにいてよ。。